金田一少年の事件簿の初期の事件である「雪夜叉伝説殺人事件」。この事件の解決のカギの一つが、氷室一聖の所持していた左利き用のハサミでした。
右利きの筆者は、左利きのハサミがあることを、この漫画を読むまでは知りませんでした。左利き用のハサミは、右利き用のはさみとどのような点で異なるのかを、調べてみました。
左利きと右利きのハサミの違いは?
左利きの人が右利き用のハサミで紙を切ろうとすると、うまく切ることができません。
右利き用のハサミは、右手の指の動きに合わせたかみ合わせとなっています。具体的には、親指で上の刃を押し、他の指で下の刃を引くように力が加わります。
そして、ハサミは、一点で接するように刃が反られています。これを「ひねり」といいます。
このような力の加わり方及び構造のおかげで、切り口部分の刃のかみ合わせが一点の接点で締まり、切れるのです。
しかしながら、左手で右利き用のはさみを使うと、切り口の刃のかみ合わせを広げるように力が働いてしまいます。その結果、うまく切ることができません。
逆に、左利き用のハサミは、左手で使った際に、切り口部分の刃のかみ合わせが締まるようになっています。
また、左利き用のハサミは、左手で使った際に、切り口を見ることができるようになっています。右利き用のハサミは、右手で使った際に切り口を見ることができますが、を左手で使った際には切り口を見ることができません。
つまり、右利き用のハサミと、左利き用のハサミとは、互いに対称となる構造を有しています。
左右兼用がある?
様々な通販サイトでは、左右兼用のハサミが販売されています。
左右兼用のハサミは、例えば、取っ手が左右対称です。そのため、右手で使っても、左で使っても、切り口が締めることができます。
統計によると、左利きの人は、日本人全体の10%だそうです。なので、左利き用のものを製造するよりも、左右兼用のハサミを製造した方が、経済的であり且つ左利きの人も助かるのだと思います。
左利き用文房具は他にもある!
左利き用の文房具は、ハサミ以外にもあります。
例えば、カッターが挙げられます。一般的なカッターは、スライダーを抑えながら使います。一般の(右手の)カッターは、右手の親指でスライダーを押しながら使うことができます。
しかしながら、左手ですと、親指でスライダーを抑えることができません。
定規にも左利き用のものがあります。
一般的な(右利き用の)定規は、目盛りの数字が左から右に1,2,3…と、ふられています。右手で線を引く際、左から右に向かって線を引くのが普通です。
その際、線の進行方向に合わせて数字が大きくなるように書かれているのです。これは、メモリを見て、何センチ線を引いたかを直ぐに把握できるようにしているためです。
一方、左手で線を引く際には、右から左に向かって線を引きます。そのため、左利き用の定規には、目盛りの数字が右から左に1,2,3…と、ふられています。
そして、カッターも、定規も、左右兼用があります。カッターであれば、スライダーが、右手でも左手でも抑えられる構造になっています。定規であれば、左から右に向かって増える数列と、逆の数列とが振られています。
このような左右兼用のデザインを、「ユニバーサルデザイン」とも呼びます。
まとめ
このように、ハサミには、
- 右利き用のハサミと、左利き用のハサミとがあり;
- 左右兼用のハサミもあります。
また、
- ハサミ以外にも、左利き用の文房具があります。
「馬鹿と鋏は使いよう」という言葉があるように、ハサミは、緻密に設計された、左右を買えただけでうまく使えなくなる、精密機器なのであります。