小学校の情操教育の一環としてヤギを飼育している学校もあり、子供の頃からヤギと触れ合っている人もいますが、ヤギは何を食べているかご存知ですか?
また、古くからヤギは紙を食べる生き物として知られていますが本当に紙を食べるのでしょうか?
今回は、ヤギはなぜ紙を食べるの?また、普段は何を食べている?についてのお話になります
ヤギについて
以前、「アルプスの少女ハイジー」と言うアニメ番組がありましたが、その中には「ユキちゃん」と言う真っ白なヤギが登場していたことをご存じでしょうか?
「メェエエ」と鳴く声も仕草もアニメではありますが可愛らしいと思った人は多いと思います。
実際のギを直に見なくてもこんな形で知る事はできますが、ここではヤギについてもっと詳しくご紹介したいと思います。
ヤギは、ウシ科ヤギ属の総称であり、種類が多くその数数百種類にも及び、大きく分けると乳用、毛用、肉用、そして乳肉兼用に分類されます。
粗食に耐え、険しい地形でも逞しく生活する事から山岳地帯や乾燥地帯でも生き延びる事ができる為、古くからユーラシア大陸の遊牧民にとっては、ヒツジや牛、又は馬、ラクダと共に家畜として飼育されてきました。
日本には15世紀ごろに東南アジアから持ち込まれた小型山羊が起源とされています。
食性は主に植物食になり、木の葉や枝、草を好んで食べます。
また、牛と同じように胃を4つも持つ反芻動物であるため、一度飲み込んだ食べ物を再び口に戻して再度咀嚼する仕草が見られます。
ヤギを観察していると確かに口をモゴモゴと動かしている事が多いですよね。
ヤギはなぜ紙を食べるの?
ヤギは古くから犠牲にささげる生贄として使われた事が多く、世界中にも様々な伝説が残っています。
日本でも、紙を食べる動物として知られており、実際、紙を与えると積極的に食べる事も確認されています。
しかし、現在の紙を与えた場合は腸閉塞を起こすなど危険である為、注意が必要です。
そもそも、昔の紙は植物でできており、主成分がセルロースと呼ばれる繊維質である事から、ヤギに与えると何のためらいもなく食べる事は当然とも言えます。
しかし、このセルロースを分解するにはセルロースをオリゴ糖に分解する為の微生物とセルラーゼと言う酵素が必要になります。
つまり、ヤギの胃の中にはこの微生物とセルラーゼ(酵素)が存在する為にセルロースを分解してエネルギーに変える事ができていると言う訳です。
その為、昔は食べても安全でしたが、現在の紙は糖類に変わらない成分を使っているので消化することができないので、ヤギにとっては有害な紙と言う事になります。
また、紙そのものも危険ですが更にインクなども含まれている為、興味本位で与える事は止めましょう。
普段は何を食べているの?
ヤギは、牛と同じように草食であり、胃を4つ持つ反芻動物であるため、繊維質の多い植物を好んで食べます。
また、草だけでなく木の葉や枝、又は干し草、根なども食べており、ミネラルとしては鉱塩も時々摂ります。
その他、家畜として飼育されている場合は、草以外に果物やトウモロコシ、野菜、麦、米、そして配合飼料などを与えたりするため、結局、ほとんど何でも食べられると言えますね。
まとめ
ヤギは昔から紙を食べる生き物として知られていましたが、紙そのものを好むわけではなく植物で作られた紙だから食べていた事が分かります。
それにはヤギの胃の中にある微生物とセルラーゼと言う酵素によって繊維質をオリゴ糖に分解できる作りにあり、牛と同じように反芻動物故の事でもあります。
繊維質の多い草を食べて栄養たっぷりのミルクを出し、肉や毛皮もとれるヤギは、遊牧民にとっては貴重な家畜の一つだったと言えます。
さらに現代でも食欲旺盛なヤギは草を綺麗に食べてくれる事から草刈が必要なく、燃料もかからない、また二酸化炭素の排出も少ない・・・
それで良質なたんぱく質を供給できるのですから、食糧難に陥っても困らないと言う事になりますよね。
しかし残念ながら、現在は環境破壊や高度経済成長などの影響でヤギの数も減少しており、絶滅に瀕していると言われています。
この先、ヤギをアニメや動物園でしか見る事ができなくなる時代を考えると寂しくも感じますが、皆さまはどのように感じられたでしょうか?