2018年の日本は、台風の当たり年だったと思います。
一方で、アメリカからは、「ハリケーン○○が猛威を振るっています」などのニュースが届きます。また、ワールドワイドのニュースでは、モンスーンも耳にします。
ここでは、台風と、ハリケーンと、モンスーンとの違いについて、紹介します。
3つの特徴と違いは?
まず、この三つの中で、モンスーンだけが仲間はずれです。
台風及びハリケーンは、いずれも、熱帯低気圧です。同じ仲間として、タイフーン及びサイクロンもあります。
これらの名前の違いは、発生する地域によって呼び名が異なることに起因します。そのため、基本的には、同様の気象用語です。
但し、これらは、厳密には風速などの定義が異なるため、全く同じものではありません。
以下、それぞれの定義を簡単にまとめます。
ハリケーン
以下の場所で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が約33メートル毎秒以上のものをいいます
大西洋北部(カリブ海及びメキシコ湾を含む北大西洋)
大西洋南部 (ほとんど発生しない)
太平洋北東部(西経140度より東の北太平洋)
太平洋北中部(180度~西経140度の北太平洋)
2005年8月にアメリカを襲ったハリケーン・カトリーナなど、アメリカを襲うハリケーンは、甚大な被害をもたらしているイメージがあります。
台風
北西太平洋に存在する熱帯低気圧のうち低気圧域内の最大風速が約17m/s以上にまで発達したものをいいます。
ちなみに、「台風」という表記が決まったのは、1956年とのことです。古くは、「野分」(のわけ)といい、枕草子や源氏物語にも見られます。
タイフーン
太平洋北部において被害を及ぼす、発達した熱帯低気圧のうち、最大風速33m/s以上(国際的な定義)のものを指します。台風と一部定義が重なります。
サイクロン
インド洋北部及び南部;並びに太平洋南部で発生する熱帯低気圧のうち、最大風速34ノット以上のものをいいます。
英語のCycloneは、低気圧、暴風全般を指す語でもあります。
サイクロン方式式の「サイクロン」も同じ語源であるといわれています。
ざっくり述べると、
・ハリケーン:北中米の両側で発生する
・タイフーン及び台風:アジアの東側で発生する
・オセアニアやインド洋沿岸で発生する
と、発生場所で区別できます。
なお、著作権の関係上載せることができませんが、熱帯低気圧は、発生場所及び大きさにより、細かく区別されています。
(参考:https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2011/2011_11_0077.pdf)
そして、モンスーンは、上記の4つと異なり、嵐のような気象現象ではありません。
季節によって吹く向きが変わるので、季節風、と表現するのが妥当だそうです。
それぞれの対策について
ハリケーン、台風、タイフーン及びサイクロンは、熱帯低気圧という同じカテゴリーに含まれるため、基本的に対策は同じです。大型の低気圧に対する対策を具体的にまとめると、以下の通りです。
(1)平時
・非常食、飲み水、必需品を確認
・避難場所(シェルター)及び避難場所への避難経路を確認
(2)注意報・警報が出たら
・正確な情報を把握
・冷蔵庫・冷凍庫を一番冷える状態にセット
・バスタブや使っていない入れ物に水道水を貯める(トイレ・洗濯・風呂用)
・非常に大きな低気圧である場合は、窓を補強する
・車のガソリンを満タンにする
(3)通過中
・外に出ない
・窓やドアからできるだけ離れる
・(停電時)故障防止のため、また 電力復旧後、過剰な電圧が掛かるのを防止するため、電気製品のスイッチを切る
(4)通過後
・完全に安全が確認されるまで、外には出ない
・電線が切れている場合があるため、水たまりには近づかない
まとめ
以上のように、
- ハリケーン、台風、タイフーン及びサイクロンは、主に発生場所が異なるが、同じ熱帯低気圧のカテゴリーに含まれる
- モンスーンは、季節風である
- 大型の熱帯低気圧は、非常に危険であるため、しっかりとした対策が必要である
ということが分かりましたね。
実際はなかなか難しいですが、「超大型台風が来る!」というときに間違った対応をしないように、しっかりと準備をしておきましょう。